Gemini Apps Activity(Gemini アプリの会話履歴)は、個人アカウントでは本人の「アクティビティの保存」(Keep Activity)、仕事用・学校用の Google Workspace アカウントでは管理者の「Gemini 会話履歴」設定で管理します。個人用と Workspace 用、Gemini アプリと Docs などの Workspace アプリ内履歴を分けると、オフ・削除・保持の意味を取り違えずに済みます。
Gemini Apps Activity は Gemini アプリ(gemini.google.com とモバイルアプリ)での会話履歴です。個人アカウントでは本人が Keep Activity を設定し、仕事用・学校用の Workspace アカウントでは管理者が Gemini 会話履歴を管理します。個人用で Keep Activity をオフにしても会話は最長 72 時間保存されることがあり、Workspace で会話履歴をオンにしてからオフへ変更した場合、既存会話はユーザーから見えなくなっても設定済みの保持期間に残る場合があります。Workspace では履歴オフ後の新しい会話も最長 72 時間保存されることがあり、Gemini Apps Activity には表示されず、Workspace アプリとの連携機能も使えなくなります。一時チャットと削除の既定は Vault 利用有無で異なり、有効な Vault 保持ルール・保留があれば会話はユーザー操作後も組織側に保持されます。
要点
- Gemini Apps ActivityはGeminiアプリの履歴で、個人アカウントは本人、Workspaceアカウントは管理者が保存設定を管理します。
- Workspaceで会話履歴をオンからオフへ切り替えると既存会話は見えなくなっても設定済み期間は保持され、新規会話は最長72時間保存されることがあります。
- 一時チャットと削除の既定はVault利用有無で違い、有効な保持ルールや保留があれば会話はユーザー画面から消えても組織側に残ります。
Gemini Apps Activityとは何を管理する履歴か
Gemini Apps Activity は、Gemini アプリ(gemini.google.com とモバイルアプリ)での会話履歴を指します。保存の設定名は個人アカウントでは「アクティビティの保存」(英語版では Keep Activity)です。仕事用・学校用のアカウントでは個人向け画面の設定をそのまま使うのではなく、Google Workspace 管理者が「Gemini 会話履歴」を設定します。
これは Gemini for Workspace の監査ログ とも別の情報です。監査ログは Gemini の利用イベントを調査する入口で、会話本文を保存する設定そのものではありません。会話の保持・検索・保留は Gemini Apps Activity や、対象データにルールを設定した Google Vault で確認します。
Gemini Apps Activity は監査ログではなく、Gemini アプリの会話履歴です。Workspace アプリのサイドパネル履歴も別の設定です。
個人アカウントでGemini Apps Activityをオフ・削除する
次の手順は個人の Google アカウント向けです。Google のヘルプは、仕事用・学校用アカウントでは Workspace 管理者が設定を管理し、ユーザーは保持期間を変更できない場合や確認できない場合があると明記しています。個人アカウントでは、18 歳以上の Keep Activity は既定でオンで、保存履歴の自動削除は既定 18 か月です。
| やりたいこと | 個人アカウントでの操作 |
|---|---|
| 保存を止める | gemini.google.com で「設定とヘルプ」→「アクティビティ」を開き、上部の「オン」から「オフにする」または「オフにしてアクティビティを削除」を選ぶ |
| 履歴を削除する | 「削除」から全期間、直近 1 時間、直近 1 日、指定期間を選ぶ。特定の日または個別のアクティビティも削除できる |
| 自動削除を変える | 「アクティビティを○か月より古い分から自動削除」などの表示を開き、3・18・36 か月、または自動削除しないを選ぶ。既定は 18 か月 |
個人用で Keep Activity をオフにしても、Google はサービス提供とフィードバック処理のため会話を最長 72 時間アカウントに保存することがあります。その会話は Gemini Apps Activity には表示されません。この説明を Workspace 管理者の「会話履歴」設定へそのまま当てはめず、次の節で分けて確認してください。
出典:Gemini アプリ アクティビティの管理(Google ヘルプ)
Workspace管理者が履歴・保持期間・削除を制御する
会話履歴と保存期間
Workspace の「Gemini 会話履歴」は Workspace 管理者のみが変更できます。設定先は Google 管理コンソールの「生成 AI」→「Gemini アプリ」→「Gemini 会話履歴」で、履歴を有効にする場合は 3・18・36 か月から選択します。既定は 18 か月、最短は 3 か月です。
| 設定 | ユーザーから見える状態 | 管理者が確認する点 |
|---|---|---|
| 履歴をオン | 会話を再表示でき、3・18・36 か月後に自動削除できる | 再利用に必要な期間と、法務・契約上の保持要件を分けて決める |
| 履歴をオフ | 以前の会話はユーザーから見えず、会話を終了すると再表示できない | オンからオフへ変更した場合、既存会話は設定済みの保持期間に残る場合がある。新規会話は最長 72 時間保存されることがある |
| Workspace アプリ連携 | 履歴がオフの場合、Gemini から Workspace アプリ連携機能にアクセスできない | 履歴の保存だけでなく、Docs などとの連携が止まる影響を確認する |
管理者は組織部門または設定グループに適用できます。グループ設定は組織部門の設定を上書きします。変更反映には最大 72 時間かかることがあり、新しいユーザーでは履歴が有効になるまで最大 72 時間かかる場合があります。その間の会話が Gemini 会話履歴に保存されないこともあるため、設定直後にすべてのユーザーへ同じ挙動を約束せず、対象アカウントで確認してください。設定には Gemini の「設定」管理者権限が必要です。
一時チャットと会話削除の初期値はVault利用有無で異なる
管理者は一時チャットと会話削除を別々に許可できます。2026 年 6 月の Workspace Updates は管理コントロールのロールアウト開始日を 6 月 15 日、ユーザー画面への表示開始日を 6 月 21 日と案内しました。これらは提供開始時期であり、現在の初期値は Google Workspace 管理者ヘルプが示す Vault 利用有無で確認します。
| 管理者設定 | Gemini アプリの Vault を使わない組織 | Gemini アプリの Vault を使う組織 |
|---|---|---|
| 一時チャットを許可 | 既定オン。ユーザーは Gemini Apps Activity に記録しない一時チャットを開始できる | 既定オフ。オンにすると、一時チャットも有効な Vault ルールに基づいて記録・保持される |
| 会話の削除を許可 | 既定オン。ユーザーは会話を削除でき、Google はそのデータを削除する | 既定オフ。オンにして削除すると、Vault ルールがある会話はユーザー画面から隠れてもルールに従って保持される |
設定は Google 管理コンソールの「生成 AI」→「Gemini アプリ」→「Gemini 会話履歴」で行います。「一時チャットを許可」と「ユーザーによる会話の削除を許可」をそれぞれ選び、必要なら組織部門や設定グループを指定します。グループ設定は組織部門を上書きします。実際の Vault 保持は、有効なルールまたは保留の対象になっているかを別に確認してください。
Vaultの保持ルール・保留と反映時間
有効な Vault 保持ルールや保留は、管理者の会話履歴設定やユーザーの削除操作より優先します。Vault では Gemini アプリの会話(プロンプトと応答)を最後のやり取りから数えて 1〜36,500 日、または無期限で保持できます。ルールの作成・変更は反映まで最大 24 時間かかり、その間にユーザーが削除した Gemini アプリのメッセージは Vault に保持されません。ルールの終了後に削除対象になったデータも、ユーザー画面から消える時刻と全 Google システムから消去される時刻は同じではありません。
Vault の保持ルールは対象範囲を誤るとデータが直ちにパージされる場合があるため、全社適用の前に小さなグループで確認してください。詳しくは Google Vault での Gemini 会話の保持・検索 と、Gemini アプリのメッセージを Vault で保持する公式手順を確認します。
出典:Gemini アプリの会話履歴を管理する(Google Workspace 管理者ヘルプ)、一時チャットと会話削除を管理する(Google Workspace 管理者ヘルプ)、Temporary chats and conversation deletion controls for Gemini
Workspaceアプリの履歴・監査ログ・Vaultを区別する
「Gemini の履歴」は複数のサービスにあります。Gemini アプリ(gemini.google.com とモバイルアプリ)の履歴と、Docs・Gmail・Sheets などの Workspace アプリのサイドパネルで交わした会話は、別の保存場所・管理設定です。
| 確認先 | 分かること | 保持・閲覧上の注意 |
|---|---|---|
| Gemini Apps Activity / Workspace の Gemini 会話履歴 | Gemini アプリでの会話履歴 | 個人アカウントは本人が Keep Activity を設定し、Workspace アカウントは管理者が保持期間を管理する |
| Workspace アプリのサイドパネル履歴 | Docs、Sheets、Gmail、Drive、Meet など各アプリの Gemini との会話 | アプリごとに分かれ、会話は本人にだけ表示される。対象エディションでは管理者がユーザー選択、90・540・1,080 日、無期限を設定できる |
| Gemini の一時チャット・会話削除 | Gemini アプリ内でユーザーに表示・削除を許す範囲 | 有効な Vault ルールや保留があれば、ユーザー画面から隠れた会話が組織側に保持される場合がある |
| 監査ログ | Gemini の利用イベントや管理上の操作 | 会話本文の履歴や Vault 検索の代わりにはならない |
| Google Vault | 対象の会話データの保持、保留、検索、エクスポート | 対象サービス、ライセンス、ルール、保留の設定が有効かを確認する |
Google Workspace のサイドパネル履歴はアプリ単位です。たとえば Docs での会話は Sheets の履歴には表示されず、会話は共有ファイル上でも本人だけに見えます。対象エディションでは、管理者はユーザーに自動削除期間を選ばせるか、最後のやり取りから 90 日・540 日・1,080 日後に削除する設定、または無期限を選べます。無期限が既定ですが、自動削除を有効にすると保持期間が設定されます。手動削除も、管理者が禁止しない限りユーザーに許可されています。Gemini アプリ側の 3・18・36 か月設定とは別なので、対象ライセンスを確認したうえで両方を決めてください。
出典:Gemini conversation history is coming to the side panel in Google Workspace、Gemini in Workspace の会話履歴を管理する(管理者ヘルプ)、Generative AI in Google Workspace Privacy Hub。管理者が Google アプリ内の生成 AI 機能を DLP でどう制御できるかは、Gemini 利用時の DLP と分類ラベルも参照してください。
営業・顧客情報を扱う組織の保持設定を実装する
実務で起きやすい誤解
- ユーザーが履歴を消せば、Vault や契約上の保持対象からも消えたと思い込む。
- 一時チャットを使えば、顧客情報が組織の保持ルールに残らないと考える。
- Workspace の履歴をオフにすれば、既存会話も即時消去され、アプリ連携には影響しないと思い込む。
- Gemini Apps Activity、Workspace アプリのサイドパネル履歴、監査ログ、Vault を同じ「履歴」とみなす。
営業・カスタマーサクセス・サポートでは、見込み客の連絡先、商談メモ、提案書、契約情報、問い合わせ履歴が複数の業務システムに複製されます。Gemini の会話履歴だけを短くしても、それらの保存先や共有権限は変わりません。既存 DLP は対応する Workspace サービスで生成内容を挿入するときなど所定の範囲で適用されますが、あらゆる Gemini プロンプト入力を一律に遮断する機能とは限りません。入力データを減らし、元データへのアクセス権を絞る運用も必要です。
顧客データの保持チェックリスト
| 点検対象 | 営業・CSで決めること | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 見込み客・顧客の連絡先 | 氏名、会社、メール、電話番号をすべて入力せずに作業できるか。顧客番号や仮名で置き換えられるか | 入力を許可する項目、目的、担当チーム、アクセスできるユーザー |
| 商談メモ・面談要約 | プロンプトや会話履歴を商談の正本として扱わず、確認済みの決定事項だけ CRM に記録する | CRM の更新責任者、会話から転記する項目、保存先の保持規則 |
| 見積・提案書・契約・サポート記録 | 機密区分、添付情報、委託先への共有、利用できるアカウントと Gemini 機能を決める | 入力可否、共有先、契約・法務上の保持期間、削除・保留の担当 |
| Gemini 会話の履歴 | 再参照の必要期間と業務上の保持義務を分け、個人用 Keep Activity と Workspace 管理設定を混同しない | 3・18・36 か月またはオフの選択理由、Vault ルール・保留、設定オーナー |
| 部門・ユーザー範囲 | 営業、CS、サポート、法務などの設定差が必要か。OU と設定グループをどう使い分けるか | 対象 OU / グループ、グループによる上書き、テスト日、次回見直し日 |
設定を現場へ反映する手順
- 業務とデータを棚卸しする:見込み客の連絡先、商談、提案・契約、問い合わせやサポートなどに分け、担当部門と正本の保存先を記録します。
- 入力できる情報を決める:回答に不要な個人情報や機密情報は入れず、顧客番号・仮名・要約へ置き換えられる項目を決めます。業務アカウントでは個人アカウントと Workspace アカウントを混在させません。
- 正本と保持責任を分ける:商談の確定事項は CRM、合意済み文書は所定の Workspace 保管先など、組織の記録先へ確認後に残します。Gemini の会話履歴を CRM の正本や法的な記録の代替にしません。
- 管理設定を決める:Workspace の会話保持期間、履歴オフの影響、一時チャットと削除の許可、Vault の対象ルール・保留を一緒に確認します。Vault を使う組織は、トグルの初期値が Vault を使わない組織と異なる点も見ます。
- 限定グループで試す:営業など一部の OU / 設定グループで設定を試し、ユーザー画面、保持対象、Vault 検索、Workspace アプリ連携を確認します。設定の反映には最大 72 時間、Vault ルール変更には最大 24 時間かかる場合があります。
- 責任者と見直し日を決める:顧客データの種類、保存先、アクセス権、Gemini 設定、Vault ルールを一覧化し、契約・規程変更や新しい Workspace 機能の追加時に更新します。
保持期間を一律に短くすることや、一時チャットを全社で許可・禁止することだけでは、顧客情報の管理は完了しません。入力する情報、保存する業務記録、ユーザーが見られる履歴、組織が Vault で保持するデータを分けて決めることが重要です。部門別の設定は Google Workspace のグループ設計 と合わせて運用できます。
よくある質問
Gemini Apps Activity と Keep Activity は同じものですか?
Gemini Apps Activity は Gemini アプリで保存される会話履歴で、Keep Activity は個人 Google アカウントでその保存を切り替える設定名です。仕事用・学校用の Workspace アカウントでは、ユーザーの Keep Activity 画面ではなく管理者の Gemini 会話履歴設定が適用されます。
個人アカウントで履歴をオフにしたり削除したりできますか?
できます。gemini.google.com の「設定とヘルプ」→「アクティビティ」で Keep Activity をオフにするか、全期間・期間指定・日別・個別項目の履歴を削除できます。自動削除は 3・18・36 か月または無効を選べ、既定は 18 か月です。オフにしても会話が最長 72 時間保存されることがあります。
会社の Workspace アカウントで会話履歴を変更できないのはなぜですか?
Gemini 会話履歴は Workspace 管理者のみが変更できます。管理者が設定を適用している場合、ユーザーは保持期間を変更したり確認したりできません。設定は組織部門・設定グループ別に異なる場合があり、グループ設定は組織部門を上書きします。
Workspaceで履歴をオフにすると既存・新規会話はどうなりますか?
会話履歴をオンにしてからオフへ変更した場合、既存会話はユーザーから見えなくなり、再表示できませんが、設定済みの保持期間に残る場合があります。オフ後の新規会話もサービス提供のため最長 72 時間保存されることがあり、Gemini Apps Activity には表示されません。また Workspace アプリ連携機能を Gemini から使えなくなります。
一時チャットや会話削除を許可するとVaultにも残らなくなりますか?
Vault を使う組織では、現在の初期値は一時チャットと会話削除の許可がオフです。管理者が許可しても、有効な Vault 保持ルールや保留があれば一時チャットやユーザー削除後の会話がそのルールに基づいて保持され、ユーザー画面から隠れるだけの場合があります。Vault を使わない組織では初期値がオンで、設定がオンの場合のデータの扱いも異なります。
Vaultの保持ルールは設定後すぐ反映されますか?
ルールの作成・変更が反映されるまで最大 24 時間かかることがあります。その間にユーザーが削除した Gemini アプリのメッセージは Vault に保持されません。ルールを広く適用する前に対象 OU と保持期間を確認し、小さなグループで試してください。
Workspaceアプリのサイドパネル履歴もGemini Apps Activityと同じですか?
別の履歴です。Docs、Sheets、Gmail などの会話はアプリごとに分かれており、本人にだけ表示されます。対象エディションでは管理者が自動削除をユーザーに任せるか、最後のやり取りから 90・540・1,080 日後または無期限に設定できます。無期限が既定で、ユーザーによる手動削除も管理者が禁止しない限り可能です。Gemini アプリの保持設定とは別に確認してください。
営業や顧客サポートの会話は何か月保存すべきですか?
一律の期間は決められません。顧客データの種類、再参照の必要性、契約・社内規程、法務上の保持・保留要件を照合し、Gemini アプリの履歴期間と Vault の保持ルールを分けて決めます。CRM には確認済みの商談事実を記録し、Gemini の会話履歴だけを顧客記録の正本にしない運用が役立ちます。



